石川誠二の診断士日記

中小企業診断士の雑記帳です

中小企業とBCP(事業継続力強化計画)(4)

以前、事業継続力強化計画に関してここで説明しました。災害発生時に中小企業がとるべき行動と日頃から減災に向けてできることを纏めておこうという計画です。

今日はその続きです。

この計画を各地方の経済産業局に提出され承認されると、その企業名が中小企業庁のホームページに掲載されます。先日、そのリストが更新されました。

中小企業庁:事業継続力強化計画

リンクを貼ったページの中段付近に認定企業のリストがあります。

また、その上には月別、都道府県別の認定企業数が公開されています。

これをみると、例えば神奈川県では

8月 1件、9月 7件、10月 51件 計59件となっています。

10月になって急増しているのは、昨今の風水害で危機感をもった中小企業が申請を始めた、とも考えたくなりますが、おそらく違います。審査にひと月半ほどかかるので、10月に認められた案件は9月中ごろまでに提出されたもので、風水害の時期より微妙に早い。

 どうやら、この時期、ものづくり補助金の2次募集の締め切りがあり、その審査において事業継続力強化計画を提出すると加点がもらえるので、それをねらったもののようです。以前にも書きましたが補助金目当てというのも少し違うとは思いますが、ともかく補助金が切っ掛けでもよいから、防災、減災に取り組んでほしいという行政の意図だと思います。

 これを提出していない企業の防災意識が低いわけではないでしょうが、一度、この申請書の書式に沿って纏めてみると抜け漏れもにも気が付くと思います。またこの計画に基づいて購入した設備等には20%の設備償却もあります。こうした税金面での措置などのメリットはもう少し思い切ったものでもいいのかなとは個人的には思います。いつ使うか分からない発電機や止水板を倉庫に眠らせる余力のある中小企業は少ないでしょう。

 そうした点はありますが、この秋の風水害の報道を見聞きするたびに、もう少しこの制度が知られていてもいいのにな、とは思います。

 神奈川県の場合、まだ認可事業者数が二けたは少ないですよね。