石川誠二の診断士日記

中小企業診断士の雑記帳です

ラグビーワールドカップ雑感(2)

今日は盛り上がっているラグビーW杯のチケットに関して

 

実際にチケットを買おうとした方は目にとめた方も多いと思いますが、いわゆる転売サイトで売られているチケットが議論の的になっています。

元々はこうした注意喚起情報です。

www.kokusen.go.jp

 これは国民生活センターが今年の2月に公表したもので、今年6月から施行された、いわゆるチケット転売禁止法を踏まえた注意喚起です。そしてここにあるリンク先にリストアップしてある業者から購入した場合は、「入場できない」と明記してあります。

 そうした業者は検索エンジンでトップに表示されるようにしていたり、SNSで頻繁に広告をうっていたりしていたため、知らずに購入してしまった方が多数でてしまい、一時、国民生活センターの相談の過半数がこの案件になってしまったとか。

 チケットの転売はいわゆる反社会勢力の資金源になったり、本当に欲しい方に行き渡らなくなるといった問題があり、東京オリンピックを前にその禁止法が施行されたのだと思います。

 しかし、ラグビーW杯に関してはタイミングが悪すぎました。すでに数次の公式販売も済みチケットが大量に出回って転売サイトも盛んに広告を打っていた時期です。しかも転売サイトの多くは海外に拠点を置くため、国内法がどう適用されるのか素人には判断つきません。そうした状況で、「そこで買ったチケットでは入場できません」という発表ですから混乱が起きます。

 で、実際はどうだったのか。

 事前には、入場の際に本人確認をして本人と確認できない場合は入場できないことがある、とアナウンスしていましたが入場の際は本人確認はありませんでした。これは私の体験談です(もちろんチケットは公式サイトで購入しました)。

 そして入場の際には持ち物検査と2次元コードのスキャンだけで入場です。この手続きだけですから、購入元は中々判断できないのではないのでしょうか。2次元コードでの読み取りの場合、読み込んだデータをもとにデータベースを参照に行ってそこで何万件もあるデータを参照して転売されたものかどうか判断してその場でレスポンスするのは技術的に難しいと思います。Suicaに使われているFelica方式ならできるかもしれませんが。

 なんで本人確認をしなかったのか、ちょっと分かりませんが、単に入場の際に時間と手間がかかる、ということだったら、テロ対策等別の面から疑問もあります。

 そして実際にネットでは、普通に入場できたという「体験談」が多数あります。ただ、新聞報道などでは実際に不正チケットとして判断されて入場できなかった方も一定数いたとか。

 ここからは周囲の方から伺った情報やネットでの情報をもとにした推測になりますが、「不正」には2種類あるのではないかと、一つは販売サイトとして公式ではないよ、という意味での不正。もう一つはチケットの偽造という意味での不正。偽造されたチケットの場合、2次元コード自体があり得ないとして、その場ではじくことは可能です。

 整理すると、転売サイトで購入したチケットの中には偽造されたものが紛れ込む可能性があるので、入口で入場お断りになる可能性がある。しかし、偽造されていなければ、そのまま入場できる、というところでしょうか。

 ただ、問題はまだ続きます。偽造チケットをつかまされた方は詐欺にあったわけですから、転売サイトに返金を求めるなり、出品者を訴えることが出来ます(相手が応じるかどうか、また気持ちが収まるかはともかく)。しかし、偽造でないチケットを入手していた場合は、それで実際に入場できるわけですから、公式の価格より高かったとしてもなかなか払い戻しは難しいようです。また価格の問題ではなく、そもそも入場できないと思い込んで諦めてしまった人もいたでしょうから、ちょっと罪作りな話です。

 予選リーグが進んで決勝トーナメントにいくと別の問題が出てきます。それは予想した日程にひいきのチームが来なかったとき。日本も予選1位抜けすれば相手は南ア、2位抜けならニュージーランドで試合日程も試合会場も違いました。

 そういう時、チケットが交換出来たらなあ、というのは自然な感情で、実際外国(といかアイルランド)から来られた方とチケット交換を望む方は多かったようです。ネット上ではどこぞのアイリッシュパブではそういう方が多くいるので交換できるぞ、みたいな情報が駆け巡っていました。

 もちろん、そこでも不正チケットを掴まされる可能性はあります。表向きには公式リセール窓口があるので、そこでリセールに出して新たに入手してください、ということになっていますが、日本戦の準々決勝のチケットなど公式リセール窓口で簡単に買える訳がありません。私もトライしましたが、ログインすらできなかった。おそらく昼間普通に働いている人には無理(笑)。

 実際に日本と南アの試合のスタンドを見て、本当に日本の予選1位抜けを予想してあんなにたくさんの方が事前にチケットを買っていたのかなあと、いう思いがよぎりましたが、まあ大会運営側も日本ラグビー協会も、もうそこは突っ込まないでしょう

 今後は、転売とひとくくりにせず、公式チケット交換の仕組みを整えて欲しいものです。

 なんで今更こんなことを言っているかというと、実は来年のオリンピックの野球のノックダウンステージのチケットが当たったのですが、日時指定であってどことどこの試合かは分からない。やっぱり日本が出る試合見たいでしょ。